TOPICS 2020年度お知らせ 特集コラム

同窓生特別対談企画 「支え合うことの大切さを伝えたい」

愛知県議会、初の女性議長誕生!春日井高校同窓生が就任

令和2年、愛知県議会の5月臨時会で新しい議長に、春日井高校第10回卒業生の神戸洋美さんが愛知県議会では初の女性議長として選出されました。

神戸さんは、春日井高校を卒業され大学卒業後、幼稚園に勤務され、春日井市私立幼稚園協議会会長などの要職を歴任されて、2003年に愛知県議会議員として初当選されました。その後も4人のお子さんの母親として子育てをされながら、こどもたちの教育や家族の絆を大切とする女性活躍社会から全ての世代活躍社会をテーマに奮闘されています。

今回、春日井高校同窓会では、山本俊和会長に同窓会役員会を代表して表敬訪問していただきました。
さらに特別対談企画として山本同窓会会長と神戸議長に春日井高校同窓会についてお話しをいただきました。

 

コロナ禍で知った「地に足をつけた活動をしなさいよ」という神様の思し召し

― 愛知県議会、初の女性議長就任おめでとうございます。
いきなり今年の春から全世界で今なお警戒が続く、コロナ禍の真っ只中の議長就任で大変だと思いますがいかがでしょうか?

神戸 私は、幼児教育の現場にいて幼稚園の園長をしておりますが、今回の新型コロナウイルス対策としてお預かりしているお子さんの安全、安心を考えていかに感染予防をするかということに努めました。
緊急事態宣言の発令も含め、初めての経験でしたが現場と結びついて考え、実践できたことはとても良かったと思います。
保護者の方には、多くの医療従事者、医療関係者の方もいらっしゃるので、そのお子さんは預かり保育を行い、サポートさせていただきました。また休園で会えないお子さんのご家庭には、メールやホームページで家庭とのコミュニケーションを取るようにしました。
特にステイホームにより家庭で子どもたちと保護者の方が触れ合う機会が増えたことは、今まで気づかなかった家族の相互理解につながりました。

お母さま方の育児の大変さもお父様方に理解いただいて、家庭を大切にする思いが深くなりました。コロナ禍で困難なこともありますけれど、今回のことがもう一度家庭の幸せをみつめるきっかけになったことはよかったと思います。
多分どこのご家庭でも普段できないことをみんなでする、そのような家族のふれあいを実感していただくことができたのではないでしょうか。

― 確かにそのとおりですね。私も家族みんなで大掃除や片づけ仕事ができました。
神戸さんご自身は、議長に就任されて今までのお仕事と変わったことはありますか?

神戸 はい、今回議長に就任させていただきましたが、コロナ禍においては会合も総会もいっさいありません。当然、祝宴をはじめとした宴会はまったくありません。
でも、逆にそのことが議長本来の仕事に集中できる喜びと感じています。
土日のお休みもありませんので、コロナ対策だけでなく県民の皆様にしっかりと向き合った施策に取り組むことができます。これは、まさにちゃんと地に足をつけた活動をしなさいよという神様の思し召しだと思いました。

― 神戸さんは、実務として幼稚園園長をされ、子育てをされ、議員のお仕事をされています。これらを両立されていることはとても大事なことだと思いました。

神戸 ありがとうございます。新人の頃は幼稚園と県庁の往復、そして帰ってからの家事、という大変さにやっていけるのか、と正直自信を無くした時もありました。でも、家族や周りの方たちのサポートがあり、なんとか今日までやって来ることが出来ました。

また議員活動は県民の皆様と直結した仕事であり、皆様のお役に立てた時の喜びは格別です。
たとえば今回、理容院、美容院の皆さんの生活を守るため休業に対する補助金の給付が行われました。このことは速やかに組合のみなさんに知らせなければならない。私は、国から県庁を通して家に届いた情報を、すぐに愛知県や春日井市の理美容組合の会長さんに連絡することができました。組合の会長さんからは、さっそく県下の全理美容会員の皆さんに安心して休業していただくことができ、お客様にも安全を提供することができたと連絡がありました。
迅速に対応して、翌日からすぐに自粛活動によるコロナウイルス対策が徹底できたことは、本当に良かったです。理美容関係者の方からも不安が解消できてほんとうに嬉しかったとご連絡をいただきました。

 

 

愛知県庁本庁舎の東側に隣接する愛知県議事堂と1階正面玄関玄関。愛知県議長室は3階にあります。

女性議長の取り組みと春日井高校同窓会での新しい出会い

― コロナウイルス対策という初めての経験で迅速に対応いただきどうもありがとうございます。
さらに今後、神戸さんの考える女性議長ならではの取り組みはありますか?

神戸 女性議長に就任したことで特化したことではありませんが、17年前の県議会初当選の時、自民党で女性議員は私ひとりでした。しかも32年ぶりだったのです。
その中でDV問題や児童虐待問題をはじめとする介護、福祉、子育て、児童教育、環境などの問題はなかなか取り上げてもらうことが難しかった。

私は女性の目線でそういった生活に関係する問題に取り組み、ひとつひとつ丁寧に話し合って政策を進めていくことに努めました。
最近ではようやく時代が変化し、それらの目に見えない問題の重要性に気づきはじめました。

私は、生活のためだけに働くのではなく、心にゆとりをもって皆さん全員が幸せに生活することの喜びを実感できる社会にしたいと思います。

― なるほど、とても素晴らしいお考えですね。神戸さんが議長になられたことは、ほんとうに意味のあることだと思いました。

皆さんにとって快適な環境と生活を提供すること、家族みんなで支えあう社会を造る重要性を感じました。

 

ところで昨年、愛知県立春日井高校同窓会は55周年を迎え、記念事業として同窓生監督作品の映画上映会をはじめ、定期的に同窓会連絡会議を開催して同窓生の世代をつなぐ交流活動を推進しました。
今年は、4月より休校のため自宅待機をする春日井高校在校生のために本校の遠隔授業プログラムシステムの支援をはじめ、インターネットを活用したICT(Information and Communication Technology)を推進しています。

これらの同窓会活動について同窓生としてのご感想をお聞かせください。

神戸  私たち春日井高校第10回生の同窓会は定期的に開催され、幹事のみなさんがたいへんな業務を運営されています。

同窓会の開催案内もホームページで告知されていますし、同窓生のみなさんで「おとなの修学旅行」と題して国内旅行にも行かれています。とても活動的で元気な学年です。

実は、数年前の同窓会に出席させていただいて、学生時代にはお話しすることがなかった方ともすぐに打ち解けて懐かしい思い出や現在のお互いの近況を話し合いました。

そこで、同窓生で知多市の有名なあられやさんの会社役員の方とお会いしました。

そこで幼稚園の卒園式のお祝いのお菓子のことを相談しましたら、さっそく紅白の真空パックのお餅のお菓子をご用意いただきました。おいしくて日持ちもするしかわいいので、園児やご家族の皆様に大好評でした。それからずっと卒園式・入園式のお祝いにそちらのお菓子をご利用させていただいています。

私は同窓会の出会いがあってこのお菓子に出会いました。

同窓会での交流で得られた情報をお互いに吸収していくことは、自分の人生の豊かさにつながりました。

 

夢を持ち続けること、失敗を恐れず何にでもチャレンジすることの大切さ

― 最後に春日井高校同窓生のみなさん、そしてこれからの同窓生となる現在の春日井高校在校生のみなさんにメッセージをお願いします。

神戸 私の春日井高校のいちばんの思い出は、高2の文化祭です。私はフォーク音楽が好きでグループを結成して文化祭のオーディションに出ました。とてもどきどきして緊張しましたが無事出場もできてステージで思い切り演奏ができました。
そのお蔭で度胸もついて、それから大学でも音楽活動を通じて交流が広がりました。

高校生の皆さんにはなんでも怖がらずにチャレンジすることをぜひしていただきたいと思います。そして、自分で決めたことを続けることが大事です。

高校時代からの音楽活動は、現在も幼稚園の行事で生バンド演奏をして、園児の親子で楽しんで参加していただくイベントで役立っています。

高校時代の夢と活動は、大学、仕事、そして家庭でも必ず役立ちますので失敗を恐れずになんにでも挑戦してください。

― とても貴重なお話をいただきどうもありがとうございました。

神戸さんの益々のご活躍をお祈り申し上げるとともに、今後も春日井高校同窓会をあたたかく見守っていただきますようよろしくお願いします。

(敬称略)令和2年6月1日 愛知県議事堂 愛知県県議長室にて

制作:愛知県立春日井高等学校同窓会 IT事業部

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