春日井高校第9回卒業生の安江明康さんは、現在春日井高校に勤務されています。
春日井高校では、おおくの生徒のみなさんに春日井高校図書館を活用いただくために「本棚」という冊子を配布しています。
今回、令和元年7月12日の「本棚」で掲載された安江さんの文を転載させていただきました。
「私の名は。」 保健体育科 安江 明康
『君の名は。』は岐阜県飛騨地方が舞台であるが、私の名は、岐阜県東濃地方に由来する。
安江氏の系譜は各種あるが、東濃の安江氏は嘉慶二年(1388年)伊勢から来て東白川村(岐阜県加茂郡)に定着した安江政氏から始まっている。
政氏より前を辿ってゆくと、平安時代(1100年代)に石川県加賀の安江郷を治めていた安江盛高に行き着く。
安江の由来は加賀の安江郷である。安江の意味は「安全な入り江」ではないかと勝手に解釈している。
JR金沢駅周辺には安江の付く町名が幾つかあり、駅から東に5分位の処に「安江八幡宮」がある。
この神社の御祭神は、誉田別命(応神天皇)・気長足姫命(神功皇后)他で、御利益は火防守護・病気平癒等々であり、天慶二年(939年)御鎮座になった。
神社のある此花町は、以前は安江鍛冶町と称して、多くの刀鍛冶のいた所らしい。
宮司によれば、嘗ては現在の近江町市場辺りの広大な敷地境内であったが、火災により慶長年間(1600年前後)に現在の地へ遷座したとのことである。
安江八幡宮
明康は「あけやす」と読ませる。
岐阜県明智町(恵那市)での出生のため、名付け親が「あきやす」ではなく「あけやす」とした。
おそらく世界で唯一の名前だと思う。
明智は鎌倉時代(1247年)遠山景重が明知城を築城したことに始まる。
時代劇でお馴染みの「遠山の金さん(遠山左衛門少尉景元)」もその一族の末裔に当たる。
明智は来年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公「明智光秀」の生誕地の一つとして知られる。
50年近く続く「光秀まつり」が催され、千畳敷砦跡には産湯を使ったとされる井戸が残り、光秀の母「於牧の方」の墓所もある。
明智は近世は宿場町として発展し、近代は養蚕・製糸・窯業で栄え、当時の建造物が多く残っており、それを生かし、1984(S59)年に「日本大正村」を開村した。
現在の村長は女優の竹下景子である。
明智は小学生時代の夏休みの大半を過ごしたところである。
祖母や伯父は勿論、近所の人たちにも本当に可愛がって貰った。
だが、中学生になると部活動に夢中になり足が遠のいた。
そのまま30年余が過ぎたある夜、何故か突然「下駄屋の小父さん」の夢を見た。
翌朝、その小父さんの訃報が知らされた。
日本大正村「光秀産湯の井戸」